テレビをぼーっと見ていただけなのに。
CMやテロップで、画面が一瞬虹色になった瞬間、
なぜか心臓が「ピクッ」と反応する。
「今の、ちょっと派手じゃなかった?」
そんな感覚が、ほんの一瞬よぎる。
冷静に考えれば意味はありません。
ニュースでも、バラエティでも、
ただの色の演出です。
それなのに、
パチンコを打ってきた人間だけが、
この色に無駄に反応してしまう。
本来、虹色は平和や希望の象徴のはず。
それがなぜ、
「何か起きそう」「熱いかも」という感覚にすり替わってしまったのか。
前回の記事では、パチンコ店に仕込まれた
音と光の設計について書きました。
今回はその続きとして、
なぜ“虹色”がここまで強力なのかを、
もう少し砕けた視点で見ていきます。
パブロフの犬と「条件付け」の話(超ざっくり)
心理学に「古典的条件付け」という考え方があります。
有名なのがパブロフの犬の実験です。
犬にエサを出す前にベルを鳴らす。
これを何度も繰り返すと、
そのうちベルの音だけでヨダレが出るようになる。
ポイントはここです。
-
ベル自体には、何の意味もない
-
でも「いいことの前触れ」として覚えさせられる
これ、パチンコとそっくりです。
-
ベル → 虹色カットイン、レインボー演出
-
エサ → 大当たり、出玉、脳が気持ちよくなる感覚
何度も体験するうちに、
脳の中ではこうなります。
「虹色=いいことが起きる」
もう考える前に、体が反応する。
ドキッとする。
期待してしまう。
それが、
私たちが知らないうちに作られた
「条件付け」でした。
なぜ「虹色」がここまで強いのか?
正直、赤や金でも派手です。
でも、虹色は別格でした。
理由は単純で、
情報量が多すぎる色だからです。
赤は赤。
金は金。
でも虹色は、すべての色が一気に飛び込んでくる。
脳にとっては
「なんだこれ?」
と強制的に注意を向けさせられる刺激。
さらに、パチンコでは
虹色=ほぼ確定
という扱いをされてきました。
外れるかもしれない不安が消え、
安心と興奮が同時に押し寄せる。
この組み合わせ、
脳にとってはかなり強烈です。
だからこそ、
ホールを出たあとも、
色だけが残ってしまう。
生活に入り込む「パチンコ脳」のバグ
この条件付け、
意外といろんな場面で顔を出します。
例えば――
-
テレビ番組の演出で虹色が出た瞬間、なぜか集中してしまう
-
ソシャゲのガチャ演出でレインボーを見ると、無駄に興奮する
-
動画サイトのサムネが派手だと、ついタップしてしまう
どれも「あるある」じゃないでしょうか。
ここで大事なのは、
これがパチンコだけの話じゃないという点です。
人の注意を引くために、
色・音・演出が使われるのは、
エンタメやサービス全体でよくあること。
パチンコは、
それを極端な形で体に覚えさせただけ。
だから、
テレビやゲームで反応してしまっても、
「自分がおかしい」わけじゃありません。
ただ、
脳がよくできすぎているだけです。
この条件付け、消せるのか?
心理学には
「消去(脱学習)」という考え方があります。
ざっくり言うと、
刺激だけを与えて、
報酬が来ない状態を繰り返すこと。
つまり、
虹色を見ても
「何も起きない」を体験し続ける。
そのときに大事なのが、
ちょっとした距離です。
「お、反応してるな」
「今のはパチンコ脳だな」
そうやって、
一歩引いて眺める。
これを心理学では
メタ認知と呼びます。
派手な対策はいりません。
気づくだけで、
条件付けは少しずつ弱まっていきます。
まとめ:虹色に振り回されないために
虹色に反応してしまうのは、
弱さではありません。
それだけ、
強い体験を積み重ねてきた証拠です。
仕組みを知れば、
距離が取れる。
距離が取れれば、
振り回されにくくなる。
いつか、
虹色を見ても
「ただの色だな」と思える日が来たら。
そのとき、
過去の負けは
ちゃんと腐葉土になっているはずです。
参考(一般的な考え方として)
※補足
※この記事は、筆者自身の体験と考察をもとにした内容です。
医学的・専門的助言を目的としたものではありません。
依存に関して深刻な悩みがある場合は、専門機関への相談も検討してください。
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